オーダーメイドで自由設計、あるいはフリープラン住宅、ハウスメーカーの宣伝文句でおなじみの言葉です。注文住宅と、どう違うのでしょうか。
住宅設計というと、思い浮かぶのが間取り。これも住宅建築の際によく使われる言葉です。何の疑問も持たず当たり前のように思っていたnLDK(n=寝室数)で考える住宅。一見近代的な生活のための設計のようですが、じつは日本建築独特の間取りの延長にすぎません。公団住宅から始まったといわれます。
大手ハウスメーカーの住宅は、もとプレハブ住宅といっていました。60年代から始まった既成住宅で、住宅不足の折、安価な住宅を多数供給するために考えられたものです。
大量生産によるコストダウン、安くて一定の品質を持った住宅を工業生産する。そのかわり規格化され、画一的で個性に乏しい点には目をつぶる、そういったものでした。
しかし今のハウスメーカーの商品は、妙に高級化を指向しているように見えます。ある程度所得が安定し、家にも個性が求められてきたのは確かです。そんななか、規格品の既成住宅は注文住宅といえませんから、考え出した言葉ですね。
「自由設計」「フリープラン」。安普請のイメージが伴う、プレハブ住宅という名称の代わりでしょうか、うまい言い方ではあります。
最近では、注文住宅をうたっている、プレハブ住宅の範疇に入らない中堅工務店、地域工務店まで自由設計といっています。大手ハウスメーカー各社が資金力にものをいわせて広告展開した結果、ユーザーだけでなく工務店の意識にまで刷り込まれてしまったのです。
もとはプレハブ住宅ですから、自由設計といっても、実はカタログの中からお選びくださいです。正確にいえば、オーダーメイドではなくセミオーダー、豊富なオプションがありますというだけのものです。
もっとも今は注文住宅といっても、大工さんが現場合わせで造るわけではありません。プレカットの部材を組み立てるので、ハウスメーカーと工程的にはさほど変わりません。
既製品の住宅は工業生産・大量生産が特徴です。当然のことながら、個々の敷地の特性など考慮されていません。カタログの中からお選びくださいのフリープランでは、どうしても限界があるのです。
ハウスメーカーのモデルハウスやカタログから選ぶメリットとしては、具体的なイメージを想い描きやすいということでしょうか。数多くのモデルハウス、豪華なカタログがあるハウスメーカーの営業は、プレゼンテーションの面で大変有利になります。(知識・経験が不足していても営業できる)
半面イメージが固定されるため、どうしてもバリエーションの範囲から逃れることは難しくなります。自由度は大幅に狭められのです。結果として適当なところで妥協する、あきらめるということになりがちです。
敷地にふさわしい設計、施主様の生活スタイルにそったデザインの家を建てようとお考えでしたら、本物の注文住宅をお勧めします。プレハブ住宅の延長でしかない、ハウスメーカーの間取り図を比較しても、お客様にとっての快適住まいづくりは望めないでしょう。
本当の注文住宅なら、建築価格と仕様に上手に折り合いをつけた、快適住まいのご提案ができます。
※ハウスメーカー(HM)について
ハウスメーカー=全国的に広告をし、営業所を展開している大手住宅建設会社のことを一般にいいます。和製英語なので外国人には通じません。
じゃあ英語ではどう言うのか。実は外国では全国的な住宅メーカーというのはほとんどありません。したがってそれを表す言葉もないのです。そもそも住宅建築業者に対してメーカーという言い方はしません。
日本だけのものですね。工業生産で家を造るプレハブ住宅メーカーが始まりです。
●注意しなければならないのは、あなたのアイデアや希望を取り入れると、コストがグンと上がることもあることです。これは企画住宅(実は規格住宅)の宿命でやむを得ないことなのです。
ハウスメーカーの規格住宅は、規格の範囲内(標準仕様)でローコストで造れるようになっています。規格外は大量生産のラインから外れるため、逆に割高になってしまうのです。
それぞれの生活に合った快適住まいづくりのため、ハウスメーカー比較では実現できない注文住宅を、ハーティホームズにご相談ください。